最初に、動作動詞と状態動詞の違いを見ていきましょう。
動作動詞とは、動作をすることで変化を起こす動詞です。
例えば、close the window
動作動詞closeをすることで、開けていた窓が閉まった状態の窓に変化するでしょ。そういう感じです。
動作動詞の特徴は3つの時があることです。<動作の始まり~やっている途中~動作の終了>です。
close the windowの場合、窓を閉め始める動作~閉めている途中の動作~閉め終えた動作が含まれています。
それに対して、状態動詞には動作動詞の様な3つの時(始まり~途中~終わり)の区別がありません。
動作動詞と違って変化を起こさず、変わらない状態がずっと続くことを表します。
同じ状態がずっと続くわけですから、変化が起きないのは当然ですよね。例えば、
My father is a teacher.
父は昨日も今日も明日もずっと先生という状態が続いていることを表しています。
His house stands on the hill.
彼の家は去年も今年も(おそらく)来年もずっと丘の上に立っている状態が続くことを表しています。
教師になり始めの頃も、教師の途中である今も、そして教師を辞めるであろう未来のことも考えずに、ただ父は昨日も今日も明日もずっと先生だよ、という事を意味しています。例文の is や stand は何も変化を起こしていませんね。父はずっと先生という状態が続き、家はずっと立っている状態が続いているのですから。もうすぐ教師を辞めるとか、今は教師の途中だよとか、始まりも終わりも意識していない、ただ単に教師という状態が続いていることを表している、それが状態動詞です。
次に動作動詞と状態動詞の現在形です。
動作動詞の現在形の例文 I get up at seven. 私は(昨日も今日も明日も)7時に起きます。
動作動詞の現在形は<いつも繰り返す習慣的な動作を表します>
また、動作動詞には3つの時が含まれているので、例文を具体的に訳すと、7時に起き始めた動作、起きている途中の動作、そして起き終える動作までを表しているといえます。
これに対して状態動詞の現在形の例文 She is kind to me. 彼女は(いつも変わらずにずっと)私に親切です。
状態動詞の現在形は<ずっと変わらない状態が続いていることを表します>
<ずっと親切である>状態が続いているということは、状態が何も変わっていないという事ですよね。
次に動作動詞と状態動詞の過去形です。
過去形で共通するのは、現在から切り離されたことを表す点です。つまり、過去はそうだったけれども、今は違うかもしれないということです。
動作動詞の過去形は、過去のある時点で具体的に起きた一回きりの動作を表します。
I ate breakfast at seven yesterday. 昨日の朝の7時に朝食を食べたという具体的に起きた一回の動作を表しています。
現在から切り離された過去だけのことを表しますから、昨日の7時に朝食を食べたけれども、今は(一日経っているから)食べていないよ、という意味が含まれています。
状態動詞の過去形は、過去のある時点でその状態が続いていたことを表します。
Ken's mother was a doctor. ケンのお母さんは(過去のある時点で)医者でした(でも今は違うかもしれない)。
状態動詞の過去形も現在と切り離されていて、そのときそういう状態が続いていたけれども、今は続いていないかもしれない、つまり、過去のある時点で終わってしまった可能性を表しています。
動作動詞の過去形は、この傾向がもっと強く表れますね。昨日の朝の7時に朝食を食べた動作は、もうとっくに終わっていて(7時15分ぐらいに)、今も朝食を食べているなんてことはありえないですから。
次に進行形ですが、動作動詞と状態動詞に共通する点は、<~の途中>を表すという点です。
まず動作動詞の進行形です。動作動詞の現在形には、動作の始まり~動作をやっている途中~動作の終わりがあると言いましたが、動作動詞の進行形は、真ん中の<動作をやっている途中>を表します。そしてその動作がもう少し続くことを表しています。
Lisa is running in the park. リサは公園で(いつ走り始めたのか、いつ走り終える予定かわからないけれども、とにかく今は)走っている(途中ですで、もう少し走り続ける)、という感じです。
動作動詞の進行形は、普段している動作の<途中>を表すものと思ってください。
もう1つ、例として、
I play the piano. 私はピアノを弾きます。
これは動作動詞の現在形の例文で、<昨日も今日も明日も、ピアノを弾き始める動作、ピアノを弾いている途中の動作、そしてピアノを弾き終える動作を習慣的に繰り返している)という意味です。これに対して、
I am playing the piano. 私はピアノを弾いています。
<昨日や明日はわからないが、いつ弾き始めたか、いつ弾き終わるかもわからないが、とにかく今はピアノを弾いている途中でこのままもう少し弾き続けます)という意味です。
次に状態動詞の進行形です。進行形は<途中>を表すので、始まり~途中~終わりがない状態動詞を進行形にすることは出来ません。だからこれを無理やり進行形にするわけですが、無理やり進行形にするという事は、むりやり<途中>を入れるということです。意味は、いつもとは違うけれども、今は一時的に(あるいは特別に)~の状態の途中だよ、という感じになります。例えば、We are living in Osaka.
状態動詞liveは本来進行形にできませんが、無理やり進行形にすると、<いつもは大阪には住んでいないけれども、今は特殊な事情で一時的に大阪に住んでいる状態の途中だよ>という意味になります。
状態動詞の進行形は、普段とは違う一時的な状態の途中を表します。
最後に完了形です。
まず、動作動詞の完了形です。動作動詞には3つの時<やり始め~やっている途中~やり終わり>があると言いましたが、動作動詞の完了形は、やり終えた状態とその後の状態を表します。
I have eaten dinner. 夕食を食べ終えたところですよ、食べ終えた後の状態ですよ、という意味。
状態動詞の完了形ですが、状態動詞というのは、もともと変わらない状態が続いていることを表しますから、昔からずっと今に至るまで、変わらない状態が続いていますよ、という意味になります。
I've lived in Osaka for ten years. 私は10年間、ずっと変わらずに大阪に住んでいる状態が続いていますよ、という感じです。